1-1.地方交付税について

財政について、地方交付税について まず財政関係にいて、特に国と県との関連性に焦点をあててお伺い致します。

最初は、地方交付税に関することであります。今、国全体で、二千年度末に長期債務残高645兆円という巨額な借金を抱えています。地方全体の借金も二千年度末に184兆円、来年度には二百兆円をこえるだろうと言われています。千葉県においても、1兆8千億円と単年度予算1兆6千4百億円を越えた過去にない規模となっています。もちろんこの県債残高は、その四十数%は元利償還において交付税措置、つまり基準財政需要額に組み込まれ、国が面 倒をみるということになっています。
しかし、ここに来て県民の多くは、国があれだけの多くの借金を抱えているのに、今後、どれだけ地方の借金の面 倒を見ることが出来るのだろうかという疑問であります。もちろん毎年国の出す、地方財政計画により、毎年地方の財源保障はなされ、つじつまが合っているように見えます。しかし、国自身に税収が不足し、従って交付税総額も不足し、その不足分資金を、あの手この手で資金をかき集めた交付税特別 会計というものから借入をしている変則状態であります。しかもその借入額を国と地方が折半すると地方財政計画にかかれ、この折半分が地方全体の借金として扱われ、先の184兆円の中に組み込まれているということであります。 地方の借金返済のため、交付税の一部があてがわれ、その交付税が、実は国において確保できず、そのための「交付税特別 会計の借入金」という名の借金をまた地方にかぶせられるという、いわば地方は、借金返済のための借金を国によって課せられているという極めて異常な状況にあると思います。
さらに、地方財政計画においては、地方交付税の不足分を建設地方債を発行することにより補うと明記され、国の出した地方債計画において今年も総額16兆3千億円もの地方債の発行が許可されています。 この大量な地方債の発行は、「景気回復ヘの取り組み」と地方債計画にも書かれていますように、交付税の補填であると言いながら、使用用途を明確にした建設地方債であり、元利償還を国が手厚く面 倒みるとして、地方に借金させることで公共事業費を捻出し、事業を行わせる、つまり、形を変えた景気浮揚対策であります。
地方債は、本来、財政支出と収入の年度間調整、収入の不足分を補填する資金繰りというものであり、地方財源でもなければ、ましてや国の景気浮揚対策に使われるものでもありません。ここ数年の地方債の増発の目的は、まさに、建設地方債といいながらも、一般 財源の補完であります。特に補正予算債は、国の明確な景気浮揚対策のための地方債であり、国の誘導により、次々と行われ、結果 として膨大な県債残高となりました。この状態は、外側から見れば、いろいろな観方がなされます。景気浮揚と言いつつ、誘導された地方の大借金、次に地方の放漫経営とか、自らの借金を国に負担し、国の予算を食いつぶす地方とかいうキャンペ−ン、最後に給与カット、リストラ、そして合併へと追い込む段取り、何か、地方は一つのあらかじめ乗せられたレ−ルを走っている感じもしないではありません。
そこで、先に述べたように県民の多くの危惧するところを踏まえ質問いたします。まず毎年、地方財政計画にある交付税特別 会計についてお聞きいたします。 交付税の総額の不足分を、交付税特別会計というものが作られており、そこから借入、その借入額を国と地方とが折半で負担するとありますが、具体的にはどのような形で、地方なり、県は関わっていくのか、 交付税特別会計における借入額は、平成12年度末には、38兆円にも上り、そのうちの26兆円が、地方の負担とされておりますが、いずれその元利償還で地方に交付される交付税総額が絞り込まれていくということはないのか、お聞かせ願いたい。
また、現在、交付税特別会計での借入は、資金運用部からの借入に頼り、その資金運用部の最終的な借り先である郵便貯金が、2001年から自主運用が開始されます。このことによって、交付税特別 会計での資金調達が、困難になり、あるいは資金調達コストが高くなり。そして結果 として、交付税確保が、出来なくなるという事態はありうるかお伺い致します。さらに、この毎年つくられる地方財政計画は、地方の財政不足分を国で持って交付するためにつくられ、その意味で、いわゆるシャウプ勧告により作られた地方財政平衡交付金法にリンクしたものであるが、その後地方交付税制度がつくられ、国からの一律な交付税の中で地方財政計画は、法的根拠を無くしたと言われています。もちろん今でも地方財源の保障が最重要課題ですが、これほどまで、国の財政力が落ちた時点において、その計画は完全に保証されると考えていいのか、とくに交付税による地方債の元利償還など将来に渡って、保証される法的根拠はどこに在るのか、お聞かせ願いたい。

 

地方財政の財源不足は、本来、地方行財政制度の改正、または地方交付税率の引き上げ等によって措置されるべきものであるというふうに考えておりまして、このため、地方交付税総額の安定的確保と地方税財源の拡充強化について、引き続き国に強く要望してまいりたい。

平成12年度につきましては郵便貯金の大量 満期によりまして資金運用部資金の原資が不足することから、民間金融機関からの借り入れを行うことにいたしております。仮に、平成13年度以降、交付税特別 会計において借り入れを行う場合であっても、国において対応するものと考えている。

地方債の元利償還金についても、この地方財政計画の歳出に計上されるとともに、毎年度地方交付税法の規定により基準財政需要額に参入されているところでございます。


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