3.市町村合併について

次に、市町村合併についてお聞きいたします。 昨年12月に設置された千葉県広域行政研究会が、今月の3月まとめた「広域行政推進基礎調査報告書」概要版をみると、財政力指数、すなわち基準財政収入額を基準財政需要額で割った値の過去3か年間の平均が、0.5を下回る市町村が、千葉県では32にのぼり、人口が少ない自治体ほど、財政事情が厳しいことが、様々なデ−タで報告されています。確かに、自立し、効率的な行政運営を行なうには、一定水準の規模の拡大が必要であることが、我が県においてもいえると思います。合併を進める昨今の流れには、財政的な自立があってこそ、真の地方分権が生まれ、そのためには、どうしても一定規模の大きさが必要であるということが、声高に叫ばれています。 しかし、そういう、何でもお金に換算し、画一的に評価する経済・効率論に基づく観方とは別 に、小さな自治体で、手の届く、顔の見えるところで信頼関係を作り互いに助け合っていこうという考えもあります。大規模と効率化を追求する社会にあって、互いに無関心で孤独な人間関係であるからこそ、小さなコミュニティを作り、互いに見つめ合い、学び合い、例え財政はきびしくとも、それなりに自立してやっていこうという考えであります。小さなコミュニティがないと、青少年の教育をはじめ、社会的な訓練は起きてこないということも言われています。私は、合併の流れのなかで、こうした自治というものの根源的な意味も、忘れてはならないと思います。「自治体は、行政をやっていればそれでいい、しかも効率的に」というのでは、余りに画一的で、文化も育たず、集団の個の確立、個人の個の確立もなくなっていくのではないかと思います。 そこで、合併について何点かお聞きいたします。 第一点として、県では、市町村の自主的な合併を支援する観点に立ち、平成十二年中に「市町村の合併の推進についての要綱」を策定する予定で、そのために県民のアンケ−ト調査をおこなうと聞いているが、このアンケ−トについては、先程述べた人々の望む自治の在り方、規模なども調査すべきと考えます。さらに、合併の条件として、隣接した自治体での財政力、行政サ−ビスの高下や差異が、当然、合併に向けての現実的な課題としてあります。このことも当然基礎調査には、明らかにされるべきで、アンケ−ト調査も想定される合併パタ−ンの地域ごとになされるべきと考えます。また人々の意識の調査として、例え負担は覚悟しても小さな自治を選ぶか、それとも大きな自治体で負担が少なく、行政サ−ビスも現状かそれ以上となる方を選ぶか、こうした仮定事項の意識調査も、今の合併の流れのなかでは調査把握すべきと考えます。いずれにしても、このアンケ−トについては、どのような内容で、どのような方法で行う予定か、お聞かせください。

 

県民1500人を対象に面 接方式によりまして、一つには、合併の必要性の有無、二つ目には、合併した場合に期待できること、三つ目には、合併した場合に懸念されることなどについて意識を把握することにしております。


 

第二点として、昨年十月十七日の新聞報道によれば、国は、人口四千人未満の町村への交付税を既に削減しており、昨年度は540町村で合計38億円、交付税の算定の基準財政需要額の補正係数の操作で行われたとされています。 広域行政推進基礎調査報告書概要版においても「地方交付税制度をはじめ従来の地方財政の枠組みが、大きく変化する可能性があり、これを視野にいれた市町村の行政体制の在り方を展望することが望まれる」と報告されているが、合併促進のための何らかの交付税の中身また制度の変更があり得るのか、すでにはじまっているのかどうか。

 

国におきましては市町村合併を推進する。一つには、普通 交付税の合併算定替え期間の5年から10年への延長、また二つ目には、元利償還金について、普通 交付税措置のある合併特例債の創設など各種の地方交付税上の支援策を講じているところでございます。


 

第三点として、合併でなくとも一部事務組合や広域連合による広域行政も、地域を活性化し、地域の自立を確保するために有効であるという意見もあるが、県としてどのように考えているか。

 

一部事務組合は関係団体との連絡調整に時間や労力を要するため、迅速、的確な意志決定を行うことが困難であったり、責任の所在が不明確となりがちであるとの指摘もされているところでございます。いずれにしましても、広域行政をどのように展開していくかは、それぞれの地域の実情に合わせ、市町村が自主的に判断するへきものだと考えております。

 


 

第四点として、広域行政が進み、市町村の行財政能力が高まった場合、県の役割については、どのように変化していくと考えるか。

 

市町村を包括する広域的な地方公共団体としての役割を的確に果 たしていくために、総合調整機能や政策形成機能の充実強化等に引き続き努めてまいりたい。

 


 

第五点として、平成十二年中に合併パタ−ンを含めた「市町村の合併の推進についての要綱」を策定する予定であるが、策定後この要綱の使われ方は、どのように考えているのか。

 

この要網は市町村や住民等が自主的に市町村合併を検討する際の参考や、一つの目安として活用されるものだと考えている。

 


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