4-1.サイコパスの認識について

次に「西鉄高速バス乗っ取り事件のような事件に対する今後の対策について」いろいろな角度からお聞き致します。まず初めに、サイコパスの認識について質問致します。
この事件を切っ掛けに、「サイコパス」という言葉が報道でも登場し、犯罪精神医学者から、「高速バス乗っ取り事件の少年は、少年版サイコパスの条件が見られる」と報道されていました。また佐賀市の少年の入院先の国立病院は、少年について「行為障害」と診断し厚生省にも報告していたと報道されています。この行為障害とは、サイコパスと同じ意味で、サイコパスは十八歳以上を規定され、十八歳未満については、「行為障害」という述語が用いられています。このサイコパスは、「反社会的人格障害」と訳され、米国では一般 的に使われている類型であり、先進国特有の社会病理であるとも言われています。サイコパスは、社会の規範を受け入れず、取り分け理由もなく他者の生命を奪ったり傷つけたりし、生命を物として捕らえたり、特に、自分より弱いものに、まるで獲物を狙うように挑みかかり、自分より強い者には、向かわない特徴をもつと言われています。また妄想を抱く精神病ではなく、要は人格のゆがみであり、生来性の人格の障害であり、性格の偏りと言われています。このサイコパス事件は、増え続け、スト−カ−犯罪、ドメスチックバイオレンス、家庭内暴力もこの範疇にはいるともいわれています。
この障害の出現率は、一%と高く、この三十年間で五十倍に急増していると新聞報道に書かれています。
私は、三年前の神戸の連続児童殺傷事件のとき、現地へ行き、中学校の関係者と話し、少年の育った住宅地域を歩き、余りにもどこにでもある平和な風景に、薄気味悪さを感じました。そのことを平成九年の十二月議会で発言し、こうした猟奇的事件は、増えていく、学校の問題だけではないし、保健、福祉の問題だけでもない、また警察、少年法の問題だけではない、行政としても総合的に対策を考えるべきであると質問のなかで訴えました。私は、その時、残酷極まる少年の行為が理解出来ず、何かその少年の生い立ち、少年を取り巻く学校での体験、そして少年のいう幻聴などで少年を理解しようとしましたが、特異な個人の特異な事件としてしか考えが続かず、正直言って、果 して行政のどの機能が、どこまで関わっていくことが出来るのか、心細い思いがしたものであります。しかし、サイコパスという精神疾患の分類とその中身の一端を見て、社会がしっかりと、このサイコパスという精神疾患に対して研究し、対処し、決して少年を犯罪者にしてはならないという意志をもつべきであると思うようになりました。
事件が起きれば、それは行政、裁判、医療の決まったル−チンがあります。大切な問題は、事件を起こす兆候が見られる少年に対し、行政がどの様に連携して関わり、少年の心と向き合うかだと思います。 そこでお伺いいたします。
このサイコパスの増加にたいして、教育関係は、どのように認識し、児童相談所、警察はどのように対応しているか、お聞かせください。

 

反社会性人格障害、行為障害といった症状がみられるものもあると言われておりますけれども、学校におきましてはその判断等、大変難しいことから、医療関係者や心理の専門家等との十分な連携が必要であると認識いたしております。

 


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