4-4.精神保健福祉関係の対応について

次に、こうした事件の精神保健福祉関係の対応についてお聞きいたします。 報道によれば、事件発生後、佐賀警察署は直ぐに、母親に電話し、少年の外出中を確かめ、病院から写 真をとりよせ、当日の衣服や刃物店で牛刀を購入したことなどから、ほぼ少年を特定化していた、と報道されています。しかし、事件前においては、母親は様々な相談所を回り、病院への入院においても母親が再三にわたって願い出ても、警察も病院も取り合ってくれない状況であったと報道されています。ここに来て、事件が起き、死傷者ができて初めて敏速に動く行政システムが、はっきりと浮き彫りとなり、多くの国民の方々から改善を求められているところであります。これに関連してお聞きいたしますが、家族だけでは、もはや解決出来ないこの事件のような問題に対し、我が県の相談所は、どのような専門家を有し、どの様に対処しているのか、 現在、相談件数の年毎の推移は、どのような状況か、また、既に家族による対応が無理で、精神病かどうかが判定が難しく、かつ本人が病院にいきたがらない場合の医療体制・制度は、我が県の場合どのような状況であるか、お伺い致します。

 

精神保健福祉に関する県の専門的な相談窓口は、保健所、精神保健福祉センター及び精神科医療センターであり、専門の職員である医師、精神保健福祉相談員、保健婦が各種の相談に応じております。相談の形態には、電話、面 談、訪問指導があり、その相談結果に基づき日常生活への適用のための助言、指導、また医療の必要な場合は適切な医療施設を紹介する等により、精神障害者及びその家族を支援してるところであります。特に精神科医療センターでは、24時間体制で精神科救急時の医療等を初め精神障害者の家族、さらには一般 県民等からの相談に応じているところであります。 次に、近年の相談実績でこざいますが、保健所、精神保健福祉センター及び精神科医療センターを合わせまして、平成9年度が38,844件、平成10年度が40,715件、平成11年度が42,948件となっており、毎年2,000件程度増加しておるところであります。 次に、具体の手順といたしましては、県では精神障害者、またはその疑いのある者を抱える家族等から相談を受けた場合、まず相談担当者は家族との面 接、訪問調査等を行い、相談対象者の状況及び家族の希望等を的確に把握いたします。この調査結果 等をもとに、医師、精神保健福祉相談員等を交えた処遇会議で処遇方針を決定し、早期に医療が必要と認められる場合は、家族等の協力のもと、病院、関係機関との連携を図りながら、適切な医療施設で治療が受けられるよう援助することとしております。

知事部局、教育委員会、警察本部の関連の課で構成する青少年総合対策本部を設置し、青少年の健全育成施策を総合的に推進してく。

また、これは要望としておきますが、昨年5月の精神保健福祉法の改正で診療と保護を必 要とする精神障害者を病院へ運ぶことは、都道府県の責任で行なわれることとなりました。これによって精神保健福祉相談員はじめ現場の職員は、移送に積極的にかかわることとなり、家族の負担は軽減していくと期待されています。しかし、これは警察はじめ関係機関の緊密な協力があってこそ、成立するものと思われます。ついては、県民のために、この今日的なニ−ズに十分応えられるよう、早急に移送体制の整備を図るよう要望しておきます。