6マンション紛争について

 マンションの建築をめぐる業者と近接住民との紛争が県内各地で起きています。マンションの建築業者は採算を考え、建物をより高層化する傾向にあります。また、建ってから二十年、三十年とたつエレベーターのない五階建ての住戸は高齢者にとって住みにくくなり、より高層への建て替えが出始めています。この流れの中で、周囲の景観から突出して建てられる高層ビルに対し、近接住民と建設業者との間の紛争が今後より多くなっていくことが予想されます。
 市町村においては中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例を制定し、あっせん、調停の場を設けているところがあるものの、あくまで話し合いの場であって、解決の見込みが立たないとわかると、すんなりあっせんの打ち切り、調停の打ち切りがなされる条例となっています。結局、住環境に高い意識を持つ住民と、法律に沿って目いっぱい容積を上げて建てる業者との赤裸な争いが各地で起こる結果となっています。その多くは業者の高姿勢に住民がなすすべもなく押されているのが現状であると言えます。この条例は、一見、行政が紛争にかかわっていくように表向き見えますが、実際のところ、ある一定の期間、両者をテーブルにつかすだけの、紛争の解決には非常に消極的な条例と私は思えます。
 私はやはり紛争の解決には行政がしっかりとした指導を発揮せねば、住民の不満は高まるばかりであると思います。具体的に言うと、行政が建築確認を留保する中でさまざまな調停の案を出し、業者と住民が和解するため、行政指導は必要なことであると思います。行政手続法等により従来の行政指導が十分にはできないにしても、何か行政が指導できるカードを置いておかない限り、住民と業者の直接の対決による紛争は多発し、激化するばかりであると思います。
 そこでお伺いいたします。
 県として行政の指導のもとにマンション紛争を解決する制度なり仕組みを考え、県下で起きているさまざまなマンション紛争に対し、より積極的な市町村への指導を行うべきと思うがどうか、お聞かせ願います。

 マンション紛争についてでございます。これを解決する制度なり仕組みを考え、県下で起きているさまざまなマンション紛争に対し、より積極的な市町村への指導を行うべきと思うがという御質問でございます。マンション紛争問題が県内各地で生じており、市町村がその解決のために苦慮していることは十分認識しているところでございます。 紛争を未然に防止するためには、地域の特性を踏まえた上で決定される地区計画や建築協定の積極的な活用などにより、あらかじめマンションの立地に関してのルールづくりを行うことが有効な施策であります。今後とも市町村建築行政部局との連絡会議等を通じまして紛争解決に向けて指導を行うとともに、今まで以上に地域にふさわしいまちづくり制度の普及と活用の推進を図ってまいりたいと考えております。