2-4安全確認について

 また、今年五月の新聞でも大きく報道されましたが、アメリカのコーネル大学が科学誌「ネイチャー」に掲載した論文には、殺虫成分をつくる遺伝子組み換えトウモロコシが、害虫だけでなく他の益虫のチョウも殺すことがわかったと述べています。これは以前から心配されていた殺虫成分をつくる遺伝子組み換え作物の花粉が風で周囲に飛び回り、自然や生態系に悪影響を及ぼすという問題が具体的に浮き彫りになったということであります。これにより遺伝子組み換えトウモロコシの毒はトウモロコシを食べる害虫のみに効き、人間には害がないという今までの定説の信頼性が揺らぎ、多くの学者が長期間の動物実験の必要性を訴え始めています。
 そこでお伺いいたします。

 

 農林部においても遺伝子組み換え作物の研究を進めています。もちろん遺伝子組み換え作物の特許が米国を中心に次々と押さえられていく中で、こうしたバイオ作物の取り組みは大切なことであります。しかし、この遺伝子組み換え農作物の研究は周辺の生態系への影響について、どのような基準で安全確認を行っているのか。 また、遺伝子組み換え作物を開発した段階において、その安全性を確認するため、どのような審査が行われていくのか、お聞かせ願います。

  県の農業試験場におきましては、遺伝子組み換え実験を行うに当たりまして、科学技術庁の組み換えDNA実験指針に基づき、千葉県農業試験場組み換えDNA実験安全管理規程を策定いたしまして、一つには、組み換えDNA実験安全委員会の設置、二つには、実験計画の適合性の審査、三つには、実験施設の適正な管理など、安全管理に必要な事項を定めまして、これらを遵守し行っていくこととしております。
安全性確保に一層の配慮が必要でありますので、今後とも関係機関と密接な連携をとりながら、遺伝子組み換え食品に関する情報収集を積極的に行うとともに、それを各市町村に提供し、より安全な食材を確保するよう指導してまいりたいというふうに考えております。

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