3-1ヘリコプターによる空中からの消防活動について

 阪神・淡路大震災では陸上自衛隊はヘリコプターによる空中消火を提案しました。そのとき地元が断らず、炎上する地区周辺にヘリコプターから水を投下すれば、あれほどの燃えるに任せた大被害にならなかったのではないかという意見が各方面から今も続いて、繰り返し繰り返し言われているところであります。私もロサンゼルス市のノースリッジ地震報告書を原文のまま取り寄せました。そして、その中の消火と救急活動部門において次のように報告されています。
 消防部のヘリコプターは地震直後に上空を飛んでいた。上空からの正確な被害状況評価は暗いため困難であった。消防が到着していない進行中の火災現場が多く、最も緊急を要する問題がサンフェルナンド・バレーの北に集中していることがすぐに明らかとなった。消防部は緊急事態が余りに多く、動けない状態であることをすぐに認識した。通常の業務とは異なるが、ヘリコプターからの消火用水を建物火災に投下することを決定した。地震発生後二十四時間以内に消防部のヘリコプター消火活動は延べ四十五・七時間、そして建物火災にに一万五千百二十ガロン(約五十七トン)の水を投下した。そのほか、水道が断水のためプールの水を使ったとか、午前四時四十分から始めて午前十時には初期消火をすべて鎮火した等、報告されています。
 本県においても地域防災計画に自衛隊のヘリコプター等による消防活動が織り込まれており、実際に林野火災においてはヘリコプターからの空中消火が実施されているところですが、さらに地震等による大規模災害時の市街地火災の初期消火、延焼防止に、何度も議会で取り上げさせていただいていますが、空中消火が重要であると考えております。
 そこでお聞きいたします。
 国等においても空中消火の調査研究を行っていると聞いているが、その状況はどうか。また、市街地火災への空中消火活動における県の考え方をお聞かせ願いたい。

 ヘリコプターによる空中からの消防活動に関連しまして、国等における空中消火の調査研究の状況と県の考え方であります。市街地火災に対するヘリコプターによる空中消火につきましては、現在、さまざまな角度から調査研究が進められております。空中消火実験では一時的に火勢抑止現象が生じるが、それを持続させるためには連続した空中消火の実施が必要であることなどが判明してきているところであります。さらに東京消防庁におきましては、火災規模による上空の温度分布等の変化の把握などの調査を行うとともに、消防庁におきましても空中消火による延焼阻止効果に関する調査研究が進められております。県といたしましてはヘリコプターによる空中消火活動について、その有効性等の確証を得た後に活用が図られるものと考えておりまして、現在、進められている消防庁等の調査研究の成果、結果、それを踏まえた国の指導方針を見ながら適切に対応してまいりたいと考えております。