3-2情報化社会における教育について

 情報化社会における教育について教育長にお聞きいたします。
八月末、私は神戸の容疑者の少年のいた友ヶ丘中学校を訪ねていき、学校の関係者と話をしました。その中で学校の方は、多くのことを話したが、マスコミの方々は最初から記事に書くストーリーを決めつけて、学校が話した断片を勝手につなぎ合わせて、実際に語った文脈とニュアンスとはひどくかけ離れて報道されたと話されていました。
この学校の周りは、少年の住む閑静な住民街、テレビタワーのある事件
のあったタンク山、そしてふもとの中学校と三つ並んでいましたが、どこにでもある余りに平凡な風景でした。極度の貧困があるわけではなく、普通のこの日常的などこにでもある風景に、私はかえって薄気味悪さを感じました。この中学校は二重、三重の意味で情報化社会の怖さに触れたのだと思います。マスコミの方々は一方的に大衆受けをする取材をし、また一方、この容疑者少年も神戸新聞社への挑戦状でわかるように、さらに少年自身もマスコミ受けをする声明文を書いたと供述しているように、マスコミや一般の人の受けと刺激を明らかにねらった行動をしました。
さらに一皮むけば、ある学者も言っていますが、実は一般の人々自身がどこか精神的飢えを持ち、ヒステリックに刺激的な情報を求め、さらに異常で猟奇的事件さえ秘密裏に求めているという、この社会の人々の深層心理が見えてくるように思います。このようにこの情報化社会の暗い構造面を今回の事件はあぶり出したのではないかと思います。
教育長にお伺いいたします。さきに中教審の答申にも情報化の影の部分の問題が指摘されていますが、このように情報が無秩序にはんらんする社会にあって、学校における情報教育はどのようになされているのかお聞かせください。

 各学校では、社会の情報化に主体的かつ適切に対応できる基礎的な資質を養う観点から、授業や特別 活動などの場で情報化社会の特質、社会や人間に対する影響の理解を深めさせるとともに、情報を適切に選択して処理する能力等、情報活用能力の育成を図っております。また、教員に対しましては、県情報教育センターを中心に実技ばかりでなく、情報モラルに関する研修も行い、指導力の一層の向上を図っており、本年度は七十八の講座の研修を実施しているところであります。

 

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