5-2組み換えの輸入品について

 遺伝子組み換え食品に関連してもう一つ質問いたします。今、農業の流れが規制のない自由貿易の中で、低価格、大量 生産のハイテク農業から、土地の環境を十分に考慮して持続可能な、かつ食の安全という消費者の声を重視した環境農業に移行しようとしています。もちろんこの流れを流すためには、市場原理の中の消費者の意識の変革ももっと進まねばなりません。しかし、こうした遺伝子組み換え作物という、とんでもない不安な作物を海外から買わざるを得ないのは、やはり食糧の自給率の低さが決定的な要因だと、今多くの人たちがこのことに気づき始めています。
今までのような国際自由貿易をにしきの御旗に森林を大規模に伐採し、大量の農薬をまき、土地の養分を吸い尽くし、土地に生きる家族農業を追い出し、できた作物を石油を使って大量に輸送する。こうしたアメリカ型の農業関連ビジネス、いわゆるアグリビジネスの農業に今反省が起きています。私はこの世界的な環境農業への回帰を県においても十分予測すべきだと思います。多くの人々が、作物、食品にどこでとれ、どのような農業で、どのような育ち方をしたのか、それらが問われ、食糧の市場価格をつくっていく時代となってくると思います。農林水産省という名を国土保全省という名に変更しようとする国よりも、地方がこれから農業の方向性を国に先駆けてつくっていくこともまた必要なことだと思います。
そこでお聞きいたします。こうした遺伝子組み換え作物のような消費者の不安食品が出現する中で、県もこれら組み換えの輸入品に対抗するため、この組み換え作物と同種の作物の地場の作付けを助けるなど、消費者の思いに連動した生産のあり方を試みていくべきだと思うがどうか。

 安全で良質な農産物を安定供給することは農政の重要な課題でございますので、千葉県21世紀農業展望構想におきましても、目指す目標の一つに、安全で消費者ニーズにこたえた良質な食料を供給する農業を掲げておりまして、その推進を図っているところでございます。